ソクラテス(プラトン著)

プラトン著『パイドン』 魂の不死について5 (合成物と非合成物)

合成物と非合成物 「合成物」とは、生成と分解を繰り返し、恒常性・永続性が乏しく、自分の姿をすぐ変容させる種々雑多ものであり、「非合成物」とは、つねに不変的な在り方をして、自分の姿を一向に変えず同じ在り方を保つ単一・単純なものであると定義する...
小説

非物質世界へのあこがれ

何もかもがどうでもよくなって全てを捨ててしまいたいと本気で考えているとき、矛盾するかもしれないが、この世のどんな快楽よりも快く幸せな時を過ごせる。 視覚的な義務を忘れ、聴覚的な義務を忘れ、触覚的な義務を忘れて、全てを感じるままに感じていいと...
ソクラテス(プラトン著)

プラトン著『パイドン』 魂の不死について4 (想起による不死の証明)

「想起」による証明 人が「学ぶ」とは「想起」に他ならない、というのは「メノン」にも出てきたのですが、その「想起説」による「魂不死の証明」がこの著書で述べられていることです。 (*「メノン」における想起説:ソクラテスは対話相手のメノンという青...
ソクラテス(プラトン著)

プラトン著『パイドン』 魂の不死について3 (生成の循環的構造)

ここから本格的に「魂の不死について」の証明が行われていきます。 魂が不死・不滅であることの必然性をソクラテスは色々な視点を駆使して弁明していきます。 哲学あるいはソクラテス・プラトン哲学のいいところは、全てにおいて「それ自体」だから「正しい...
ソクラテス(プラトン著)

プラトン著『パイドン』 魂の不死について2 (肉体・知恵という秘儀)               

「死」とは肉体と魂の分離に他ならない ソクラテスの考える「死」とは、魂が肉体から分離して「魂のみになる」ことだといいます。 そのため、哲学者は「魂のみ」に配慮する者であり、生成・消滅の性質ををもつ肉体と同じ性質を持つもの(食べ物、飲み物、衣...
ソクラテス(プラトン著)

プラトン著『パイドン』 魂の不死について1 (死について)

はじめに この著書には、なぜ魂というものが肉体とは別に存在すると考えられているのか、そして魂とはどのようなものだと捉えられているのか、こういったことが「思考」によって抽象的にではなく具体的に述べられています。 これを読めば、もしかしたら今ま...
ソクラテス(プラトン著)

プラトン著『メノン』 徳(アレテー)について 3終わり (徳とは)

「徳」とは何なのか、またそれは他人に教えられるのか まず、「徳」そのものが全く分からないため、その性質を比喩などを使って探求し始めていくというのがソクラテスがよくとるやり方です。 (*プラトン哲学では、正しさ、節制さ、敬虔さ、物覚えの良さ、...
ソクラテス(プラトン著)

プラトン著『メノン』 徳(アレテー)について 2 (想起・知識と正しい思惑)

人が学ぶとは想い出していることなのか 前提として、プラトン哲学では「肉体と魂は別物である」ということを受け入れ、肉体は生成・消滅の性質を持っており、魂は永遠・不滅の性質を持っていると考えられています。 そして、肉体にとって「善いもの」・有益...
ソクラテス(プラトン著)

プラトン著『メノン』 徳(アレテー)について 1 相(イデア)

はじめに 「哲学」とは、考えることだとか、真実を探究することだとか、知を愛することだとか、抽象的にとらえる時にはこのような言葉が使われていると思います。 しかし、考えるといっても何について考えるのか、真実といわれても何についての真実なのか、...
エミール=オーギュスト・シャルティエ

アラン著『幸福論』 ピンを探そう!

人間はいらいらしている時や不機嫌の時、かなり説得力のある理屈で自分の不幸の原因を嘆く。その嘆きによって自分は自分に容易に騙され、自分によってその不幸をさらに大きく育てている。 冷静になってピンを探すこと。不幸の解決策は、強い論拠で恐怖をやっつけることではない。落ち着いてピンを探すことだ。