小説

パラドックスのその先

この世に「答え」が明確に存在していたら、芸術なんていらないだろう。でも、「答え」が存在しなかったら、人は不安でたまらないと思う。 「答え」の在る安心感と、「答え」の無い自由さ。人は所詮、その間を行き来して人生を終えるのだろう。幸せと苦しみを...
小説

零の世界

とても心地のよい世界へ舞い降りた。 此処へ初めて訪れる人、たびたび訪れる人、もう来飽きた人、 若い人から年長者まで。 小難しさから解放された世界、または小難しさへ没入する世界、 何が本当で何が嘘か、そういったものを小馬鹿にして全てを受け入れ...
ソクラテス(プラトン著)

プラトン著『国家』 正義について12 終わり (真似について)

真似について ここでは寝椅子の例が出てくる。 寝椅子には大きく分けると、寝椅子の実相、寝椅子の実物、寝椅子の似像があり、実相は神が作ったのもであり、実物は職人が作ったものであり、似像は画家が描いたものであるとし、後者になればなるほど真実在か...
ソクラテス(プラトン著)

プラトン著『国家』 正義について11 (魂の優位性)

魂の優位性 飢えや渇きは身体の空虚さをもたらす。無知は魂の空虚さをもたらす。前者は食べ物や飲み物みよって満たされ、後者は知識によって満たされるといいます。 この2つの内、より真実を人間にもたらすものはどちらなのか。食べ物や飲み物なのかあるい...
ソクラテス(プラトン著)

プラトン著『国家』 正義について10 (真実の生き方)

真実の生き方 魂の3部分には、「理知的な部分」「気概的な部分」「欲望的な部分」があるとしていました。 そして、「理知的な部分」は何かを学び知る、知を求める。「気概的な部分」は勝利や名誉を求める。「欲望的な部分」はあらゆる欲望、欲求による快楽...
ソクラテス(プラトン著)

プラトン著『国家』 正義について9 (様々な国家制度)

為すべき学問 結論から言うと為すべき学問とは「数学」であり、知性のみを使って真実にたどり着こうとする学問は哲学者の素養にとても適しており、数はイデアと性質が似ており(目に見えない、知性のみで探求する)、生成消滅のもの(思惑、肉体など)ではな...
ソクラテス(プラトン著)

プラトン著『国家』 正義について8 (洞窟の比喩、哲人支配)

洞窟の比喩       太陽(光)          ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー                    洞窟                              実        」...
ソクラテス(プラトン著)

プラトン著『国家』 正義について7 (善のイデア)

個人の正義と不正について 結論として、個人の正義とは、個人の内に存在する魂の構成要素である3つの部分(理知的な部分・気概的な部分・欲望的な部分)が、それぞれ自然本来の性質に従って自己の役割を果たすこととなった。では、各々の自己本来の役割とは...
ソクラテス(プラトン著)

プラトン著『国家』 正義について6 (4元徳、魂の3部分)

完全な国家 僕たちが想定している完全に徳を具えた国家が成立したと仮定したとき、その国家には四元徳と言われる 正義・知恵・節制・勇気 この4つがなくてはならないといいます。 「知恵」とは知識を駆使する能力であり、知識には様々なものがある。この...
ソクラテス(プラトン著)

プラトン著『国家』 正義について5 (支配者になるべき人とは)

支配者になるべき人 ポイ二ケ(フェニキア)という地方に伝わる物語を持ち出してソクラテスは言います。 人は生まれながらに優劣があり、神は統治すべき能力のある人には金を、その補佐に当たる人には銀を、それ以外の人々には銅や鉄を混ぜ合わせたのである...