パラドックスのその先

小説

この世に「答え」が明確に存在していたら、芸術なんていらないだろう。でも、「答え」が存在しなかったら、人は不安でたまらないと思う。

「答え」の在る安心感と、「答え」の無い自由さ。人は所詮、その間を行き来して人生を終えるのだろう。幸せと苦しみを味わいながら。

「答え」を見つけたと思った人は「答え」に盲目になり、「答え」なんか無いという「答え」に辿り着いた人は誠実な規範が無くなる。

この恐ろしくて快活な旅を、命が尽きるまで歩み通すしか一人間には出来ないのかもしれない。

「死」というこの旅の終焉は、僕に何を教えてくれるのだろうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました