不意に見た永遠の希望

人生

人生の途方に暮れた僕は、とある自殺名所に訪れた。立入禁止をくぐり抜け、大きな滝が流れ落ちる開けた場所へ。自分の価値の無さを改めて実感させる壮大な滝。僕はその大きな崖に足をかけた。
 
全ての希望を絶たれ、その絶望の果てに行き着いたこの場所で、何故か僕は人生最大の幸福感を得た。

全く何もない空っぽな僕が抱くには似つかわしくない、今まで希望と呼んできたものをまるで相手にしないような絶対的な希望が、突然僕の目の前に現れたのだ。

今までの醜く、虚しく、苦しく、悲しく、辛かった経験や体験の全てがひっくり返ったような、莫大な負の力が莫大な正の力に置き換わったような感覚。生きることも死ぬことも自分によって選択できると疑いなく理解できた極限の自由さのなかで、僕は本質を見た。

日が昇り始める大自然の中のちっぽけな僕。このちっぽけな僕の胸の中は今、この自然を遥かに凌駕するほどの「わくわく」や「どきどき」で満ちている。

絶望の果てに見た「自由」という希望の本質。これだけを胸に、命を賭けて人生を誰よりも楽しもうと決めた僕は、絶望の果ての地で希望に強く誓った。

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